私の夢は、おばあちゃんみたいな可愛いおばあちゃんになること
2022年5月16日、おばあちゃんが死んだ。
87歳だった。
27歳の時におじいちゃんと結婚して、ちょうど60年目に旅立った。
きっと、60年の間にたくさん大変なこともあったんだと思う。
でもおばあちゃんの最期、おじいちゃんはおばあちゃんが苦しそうにしている胸をさすりながら、「がんばれ」と言い続けたらしい。
普段、2人が直接的なスキンシップをしているような姿は見たことがなかったけれど、お互いに好きだったんだなぁと思う。おばあちゃんが亡くなってから、おじいちゃんがおばあちゃん宛に書いたらしい何十通という達筆なラブレターが見つかった。そのうちのいくつかは、おばあちゃんの棺に入れてあげた。ラブレターは、おじいちゃん発信のものばかりだった。見たところ、おばあちゃんからおじいちゃんに宛てたラブレターは1つも見当たらなかった。それは、おばあちゃんが思い出に拘らない性格だからなのか、恥ずかしくて捨ててしまったのか、それとも最初から書いていなかったのか、はわからないけれど。
直接的に愛を伝えていたらしいおじいちゃんに比べ、おばあちゃんは不器用な人だった気がする。おばあちゃんは武家の家系だったらしいから、武士の血がそうさせるのかなぁ。事あるごとに長い挨拶やスピーチをしたがる饒舌なおじいちゃんとは対照的に、おばあちゃんは無口な人だった。大声で笑う事もしないし、悲しい事や苦しい事や辛い事があっても、弱音は吐かずに耐えているような背中ばかりが思い出される。そして、嬉しい事があった時には、声を出さずにはにかむ。かといって、控えめな人では決してない。主張はかなり激しい方。譲らない。頑固。晩年はすっかり弱くなって、怒りのエネルギーはなくなってしまっていたようだけど。
5人姉弟の次女。しっかり者の長女と三女(どちらも財閥系統の会社の出世頭に嫁入りしたらしい)に挟まれて、すごくちゃっかりした次女だったんだろうなぁ、と3人の関係性を思い出しながら、ぼんやりおばあちゃんの若い頃の白黒写真を眺める。
お見合い結婚をした他の姉妹とは違って、おばあちゃんだけは、「強くてバンカラな男が好き」、「桃も好き」、という理由で桃農家のおじいちゃんと駆け落ち同然で結婚したらしい。一途だなぁ。そして、もうずっと頑固なんだなぁ。笑
畑仕事と家事・育児の両立は半端じゃないほど大変だったろうに・・・。
それでもやっぱりおじいちゃんの事が好きだったんだろうなぁ。
おばあちゃんが声が出なくなった1週間、唯一、声を出したのはおじいちゃんにさすってもらってた時だもんな・・・。
涙を流したのは実の妹からの電話を聞いた時だけ。あとにも先にも、おばあちゃんの涙を見たのはあの日だけだった気がする。
3人の娘、5人の孫、2人の娘婿、そして大好きなおじいちゃんに見守られながら自宅で眠りについたおばあちゃん。
介護を受ける立場になっても、みんなから、言動が「可愛い」と言われ続けたおばあちゃん。私も将来はあんなおばあちゃんになりたいなぁ。。。
アートとは何か?-Art of Earthー
先日、横浜で開催されている「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってきました。
素晴らしい展示でした。
これを機に、「アート」に関して調べてみることにしました。調べ物といえば…まずはWikipedia。Wikipediaには、アートとは「間接的に社会に影響を与え得るものである」と書かれていて、興味深い定義だなと思いました。
バンクシーは、社会に多大な影響を与えています。「直接的に」ではなく、「間接的に」という文脈も的を射た文脈だと思いました。
別の考察として、「アート」を「一点モノ」と検討することもできる気がします。ですが、そうすると、バンクシーの「ステンシル」や「木版画」といった作品は、量産が可能なため、アートではないということもできるかもしれません…。
油絵や彫刻などのクラシックな作品がアートとして認識されやすいのは、これらが一点モノであることと無関係ではない気がします。しかしそれでは、複製が可能な本、写真、音楽といったものはアートではないのでしょうか…。
これは個人的な想いの部分ですが、私は、「人のこころを動かす作品」はアートなのではないかと思っています。Wikipediaでいう「間接的」や、「社会的な影響」をどう捉えるのかにもよるかとは思いますが、特に現代では「表現方法」に関わらず、「アート」を展開することが可能な世の中になっているように思います。
少し視点がずれるかもしれませんが、弊社(株式会社アマナ)では、「アートフォト」の販売を手がけるブランドを日本で展開しています。そこで販売する「アートフォト」は現像枚数を限定して販売しているそうです。
それは、「限定」という言葉にコレクター魂が揺すぶられるのと、ビジネス観点でいえば需要と供給の関係から、限定した方が価値が高まる理由でそうしているということでした。
「アート=一点モノ」から少し話が逸れてしまいました。私は、「ビジネスからアートを考えること」のイメージは何となくつくのですが、最近話題にあがっている、「アートからビジネスを考える『アート思考』」は、未だ何となくしっくりきておりません…。
もしどなたか、「アート思考」についてよい解説書などがあれば紹介してもらえたら幸いです。
PS:高校生の時に親友から「『地球』は英語で『Earth』。最初のEを『Eden(楽園)』、最後のHを『Hell(地獄)』とすると、『地球』は楽園と地獄に挟まれた『Art』の世界である、って考え方があるらしいよ!」と聞いて、感動したことを覚えています。
こちらも友人がその発言を覚えておらずソースが不明なのですが、誰の言葉なのか、気になっております。
今日、記しておきたいのはそんなところです。
テレビは悪くない。何でも距離感が大事だよね、って話。
「かつてわれわれが信じるべき、とされていたもの――仁義、礼節、忠節、そういう何もかもが、あの戦争で灰になった。大衆どもにはそれが不安でたまらんらしい。一種の癖だ。みな血眼になって、次にすがるべきものを捜している。だがワシに言わせれば、癖そのものを直せばいいのだ。詮ないことを思い煩うのをやめ、テレビジョンを見る。プロレスに興奮し、音楽とともに踊り、落語に笑えばいい。頭を空っぽにするのだ。ただ空っぽに。そこにテレビジョンという風が流れていく。朝も、夜も。悩みを忘れ、笑いと興奮に満たされ、ただ浮かれ騒いで日を過ごす――」(中略)「この国の人間の頭を空っぽにして回る。正気でそれをご自分の使命だと?」「悪いか。ゴミが詰まるよりゃ、空っぽの方がずっとマシなんだよ」
日本語って難しい〜拙者は僥倖にめぐりあった〜
最近はじまったプロジェクトで、香港人の男の子と一緒に仕事をすることになりました。
これまでやり取りした中で一番笑ったのは下記のメールです。ご査収くださいませ。
**************
お疲れ様です。
下記、拙者の意見をまとめました。
ご確認いただければと思います。
**************
[[[ 拙者…!!!]]]
突然、忍者が現れた…!?
香港人の彼にそのことを指摘すると、
「知ってます。外国人ジョークです。場の雰囲気を柔らかくしたいと思った時に使います」と、なんだかクールに言われました…
そして、これまでやり取りした中で一番笑ったのは下記の会話です。ご査収くださいませ。
日本人2人(PMと私)と香港人の彼の3人での作業中。
PM「なんかさー、長文メール作ってると、語尾が『〜幸いです。』で終わることが多くなっちゃうんだよなぁ…。なんか他に良い言い方ないかなぁ…?」
私「私はけっこう『〜してもらえるとありがたいです。』をよく使います。『〜幸いです。』よりも、相手との距離が縮まる気がします。オススメです。」
パソコンで何やら調べている様子の香港人の彼。
香港「こんなのは、どうでしょう?…僥倖(ぎょうこう)」
[[[僥倖]]]
1番好きな日本語は何ですか…?
最近はじまったプロジェクトで、香港人の男の子と、インドネシア人のハーフの男の子と仕事をすることになりました。時々カルチャーショックを受けながら過ごす日々が楽しいです。
香港人の同僚は、日本が大好きなようで、日本に来てから1年間日本語の勉強をして、弊社に入社したとのことですが、すでに完成されている彼の日本語力には驚かされます。しかも、いまもスポンジのような吸収力で、新しい日本語を習得していっており、彼の勉強熱心なところにも刺激を受けています。
ある日、香港人の彼に「1番好きな日本語は何?」と聞いたら、「『儚い』ですかね」と即答しました。「『儚い』はあんまり良い意味じゃないような気がするけど…」と私が言うと、「知っています!でも、『儚い』って言葉は、『桜』を連想させるといいますか、一瞬だけ輝くようなニュアンスに美を感じます…!あと、音の響きも好きです!」と熱弁していました。「一瞬の輝きかぁ…『栄枯盛衰』のようなイメージかな…」と私が呟くと、「『えいこせいすい』!!はじめて聞く言葉です!!」とすぐさまメモしていました。
彼に言われて改めて考えてみると、人に夢と書いて、「儚い」とは切ないなぁ…と思いました。また、彼に間違えたことを教えてはいけないと、「儚い」と「栄枯盛衰」の意味を調べてみました。すると、面白いことがわかりました。
曰く、中国では、「儚」という字は「おろか」という悪い意味になるようです。「夢」という漢字は、もともとは「暗い」「よく見えない」という意味を表す漢字で、それが転じて、「眠っている時に見るゆめ」という意味で用いられるようになったようです。そこで、「人」と「夢」を組み合わせると、「よくわかっていない人」という意味になるとのことです。「愚か」とは…日本の「儚い」以上にネガティブなイメージです…。
また、「栄枯盛衰」の意味をあらためて調べてみました。私は「栄枯盛衰」、「諸行無常」、「盛者必衰」を同じ意味だと思っていましたが、ニアリーイコールなところはあるものの、正確には少しずつ異なった意味であることがわかりました。
栄枯盛衰:物事は盛んなときと衰えるときを繰り返すこと
諸行無常:世の中の全てのものは常に変化・生滅して、永久不変なものはないこと
盛者必衰:どんなに勢いのある物事でもいつかは必ず衰えること
勉強になるなぁ…。
【参考文献サイト】
https://kanjibunka.com/kanji-faq/mean/q0293/
猫が、子猫を拾ってきた
不思議な出会いだった。
6月1日快晴、30℃を超える夏日になる予定だった。いつものように、洗い立ての洗濯物を持って、庭に出た。べちゃっとしたような灰色の物体が2メートルほど先の日だまりに見えた。最初は、死んだ鼠だと思った。無意識に悲鳴をあげていた。洗濯物を置いて、おそるおそる近づいていくと、鼠ではなく、生後数日の仔猫であることがわかった。柱の影に隠れていた成猫のトラが出てきて、私の目を見つめた。助けて、と言っているように感じた。
おそらくトラの子供ではない。何となく模様は似ているようにも見えたけれど、トラは1、2カ月前に出産したばかりだったし、ここ最近でお腹が大きくなった様子も見ていない。どこかの野良猫の子供かもしれない。猫が猫を拾ってくるなんて聞いたことがなかったけれど、どうにかしなければ、と思った。子猫はまだ、生きていた。目は開いていなかったけれど、小さい背中が息をしていた。持ち上げると、「みゅーみゅー」鳴いたので、みゅーと呼びはじめた。みゅーを、タオルを敷いたダンボールに保護した。
育てていた3匹の子猫を里子に出したばかりだったので、トラは寂しかったのかもしれない。トラは、自分の子供ではない、みゅーを舐めたり、ミルクをあげはじめた。
みゅーを拾ってきた頃、トラは、これまた別の黒猫が産んだ三毛猫のトロを育てていた。トロを産んだ黒猫は、生後1カ月を過ぎると、トロの面倒をみなくなった。その代わりをするように、トラは三毛猫のトロにミルクをあげたり、庭に出て木登りを教えたりしていた。おてんばのトロを、トラはいつも見守っていた。
これは、網戸を駆け上がってしまったトロを見守るトラ。
トラのミルクが本当に出ているのかわからない。そして、おてんばのトロは、ミルクを飲んでいるみゅーを見ると、悪戯するようになった。飛び乗ったり、噛み付いたり、転がしたり、じゃれたり、蹴ったりした。見兼ねて、トロを引き剥がすと、トラが怒った。トラにとっては、みゅーよりも、先に面倒を見始めたトロの方が大切らしい。乳母猫のトラは、トロとみゅーの間に挟まれて、あっちに行ったり、こっちに行ったり、疲労困憊の様子だった。そこで、子猫用のミルクを買ってきて、私たち家族が、哺乳瓶でみゅーにミルクを与えるようになった。
昼夜を問わず、2.3時間ごとにみゅーは「お腹が空いた」とよく鳴いた。毎日、夜中にウトウトしながらミルクを与えた。在宅勤務の会議をミュートにして、ミルクを与えた。食べていた自分のごはんを中断して、ミルクを与えた。いつもミルクを与える前後に排泄を促し、排泄物の処理にも追われた。
でもある夜中、仔猫のみゅーは死んだ。突然だった。悲痛な叫びを上げ続けるみゅーの身体をトラとトロは舐めた。急激に冷たくなっていく身体をあたためる為に私たち家族は、カイロと毛布を使って、さすった。あたたかいミルクを何度も口に運んだ。ダメだった。生後3週間くらいだった。小さな身体はそのまま冷たくなり、目は開かなくなった。目が開いて見えるようになってから、まだ1週間ほどしか経っていなかった。みゅーは、朝を迎えることができなかった。ごめん。ああすればよかった、こうした方がよかったのかもしれないと、後悔ばかり。君は何のために生まれてきたんだろう。君がいなくなってからも、どうやったら助け出せたのかって、何度も調べたり、考えたりしてしまう。トラ、ごめん。せっかくトラが助け出してきた命だったのに。託してくれただろう命だったのに。あまりにも短かった。助けられなかった。ごめんね。ただ、懺悔がしたかっただけなのかもしれない。言葉として残しておきたいというエゴなのかもしれない。すでに思い出になってしまった君へ。生まれてきてくれて、ありがとう。ミルクを飲んだ後、健やかに、幸せそうに眠る君の写真を見ながら、天国で幸せになってくれることを…祈るよ。
日本人なら答えられるよね?
①『源氏物語』で1番好きな登場人物は?
②『浦島太郎』は最後になぜ「おじいちゃん」になってしまうの?
③『竹取物語』のかぐや姫は「月に帰る」って書かれているけど、彼女は宇宙人なの?
④かぐや姫の「かぐや」ってどういう意味?
⑤『桃太郎』が猿、犬、雉をパートナーに選んだのはなぜ?古代日本には猛獣がいなかったの?
⑥松尾芭蕉の詠んだ俳句の中で1番好きな俳句は?
⑦僧の空海が日本で有名なのはなぜ?
⑧日本の短歌で有名なものはある?どんな短歌?
⑨夏目漱石の『坊ちゃん」と『こころ』、どちらが好き?
⑩宮沢賢治の本の中で1番オススメの本は何?
日本人のみなさん、何問答えられますか…?これは実際に私が外国人の友達にされた質問です。そして、私は恥ずかしながら、この質問にすぐに答えることができませんでした。
―お久しぶりの方もそうでない方もこんにちは。
どうも世の自粛の流れに沿って、すでに2ヵ月在宅勤務を続けている私です。
最初は1日に1~3本、自宅で映画鑑賞をしており、自粛中に観た映画も50本を超えました。Amazonプライム、ネットフリックス、ユーネクストにまで加入して観ておりますが、だんだんとネタ切れ感が増してきました。
そこで、次に乗り出したのが読書です。
ブックカバーチャレンジに挑戦して、色々な方のおすすめ本を聞いたこともあり、糸目をつけずに購入していたところ、占めて3万円弱、40冊ほどの本をこの1か月ほどで購入しました。いま、部屋は本の山です…。笑
そんな中、先日読んだ本の中に共感する文章がありました。
そうなんです。古典を読んでいないと、外国人に「え?」とびっくりされることがあります。私の周りの外国人は、日本が好きで来たという友達や、日本での滞在歴が長いという友人が多かったのもあるかもしれませんが、「日本人なのに、わからないの?」と率直に言われたときの恥ずかしさといったらありません…。
さて冒頭の質問に戻りますが、みなさんは何問答えられたでしょうか…?正確には「答え」がない質問なので、「応えられた」の方が近いのかもしれません。
私は即答できず、歴史や該当の本を読んだうえで、「こう言っている人もいる、こういう考え方もある、私はこう考えている」という形で、質問される度に必死に調べて、考えて、応えていました。
外に出られず自粛している皆さん、よろしければ、来る外国人とのコミュニケーションに備えて、古典に挑戦してみてはいかがでしょうか…?
(リアルにコミュニケーションできる機会は、ちょっと直近ではあまり機会がなさそうですが…時間のある時に考えをまとめておくことをオススメしてみます。笑)
尚、文章を引用させていただいた本はこちらです。
私は、在宅勤務がはじまって、本格的な読書をはじめる前に、長く読書に時間をあまり割いていなかった勘を取り戻す意味合いから、この「『読み方』に関する本」を購入しました。「『読み方』に関する本」は2冊購入して読みましたが、私はこちらの本がおすすめです。
上記の本の中では、たくさんの素敵な本がオススメされているので、私のいま手元にある3分の1くらいの本は、この本がキッカケで購入した本だと思います。読む本の選び方に迷っている、という方にもおすすめです。