日本人は、仕事をしているフリが上手い
タイトルの「日本人は、仕事をしているフリが上手い」とは、日本で働いているプログラマーのインド人の男の子の言葉です。
彼によると、「日本人はタイピングが本当に好きだよね。でも僕は知ってるよ。あれは仕事をしているんじゃない、『仕事をした気になっている』だけだってね」だそうです。
私は、ほうほう、といった形で頷きました。
「僕はプログラマーだけどね、インプットが8割で、アウトプットは大体2割だよ。だから、タイピングしている時間は仕事の2割くらい。」
プログラマーが職業の男の子がタイピングに時間を割かないとは、意外です。
「他の職業については詳しく知らないけど、プログラマーでいえば、解決に導く手法をなるべく多くインプットして、その中でどれが1番最適なのかを考えることが仕事なんだよ。常に新しい情報がアップデートされていくから、勉強し続けて、自分の中の知識もアップデートしていかなきゃいけない。でもそれは、他の職業でも同じだと思うんだよね…。日本人は、どうやらインプットを軽視しているように見受けられるよ。アウトプットの質がそれを物語ってる。情報が古いんだ。」
「なるほど…」
と私は呟きました。なんとなく、心当たりがあります。
「『仕事をしているように見せかけること』はエネルギーを使うと思うんだ。日本人は見せ付けるようにタイピングしているように見えるんだよね。そんな生産的でないことに時間を使って疲弊するより、勉強する時間をつくった方がいいし、雇用している企業もそのことを理解するべきだと思うね。僕は人の目を気にせずに、仕事中も色んなサイトを見たり、本を読んだりしてインプットしているけど、外国人だから許されているところがある気がするんだよね。そこは日本人だとやりにくいのかな、って見ていて感じるよ。」
もっともな気がします。
私は「そうだね…。日本も受験大国だから、インプットは得意な気はするんだけどね…。学校を卒業して、社会人になった途端に勉強する人は少なくなる傾向にある気はする…。恥ずかしいんだけど…」と歯切れ悪く答えました。
すると彼は「そうそう!見ていると、どうやら日本人は勉強の習慣がなさそうだし、やり方がわかっていないようだね。受け身の勉強習慣になりすぎていて、能動的に勉強する方法を知らないように感じるよ」と言いました。
私が「たぶん…私も含めてなんだけど、情報の選択が上手じゃないんだと思う…」と言うと、彼は「そうみたいだね。でも、そもそも日本語に翻訳されている情報である時点で、残念だけど、すでにそれは古い情報であることが多いよ。日本だけをマーケットにしているなら、国内の情報だけで戦っても悪くないとは思うけど…英語で書かれた情報が世界基準での最新トレンドだからね…。日本人はもう少し英語を勉強するところから始めた方がいいんじゃないかな…。まぁ、日本人が英語ができないおかげで、僕みたいな外国人が活躍できる土壌があるとも言えるんだけど」
と言って無邪気に笑っていました。